学費・給付型奨学金制度

経済援助としての「給付型奨学金(financial aid)」を学部生の家庭状況に合わせて支給する大学がアメリカには存在します。学費及び生活費(寮費・食費など)が全額あるいは一部免除となり、学部生が週10時間ほどキャンパス内(例えば、図書館の貸し出し業務)で就労しながら学費・生活費に充てる他は、ほとんど返済義務が発生しないのが一般的です。これは、成績やその他の業績で給付が決まるのではなく、あくまでも家庭の経座的状況(両親の収入、兄弟姉妹の人数、その他の特別な事情)に合わせて、学費・生活費の内、必要な額を大学が大学に在籍中の4年間を通して負担する、という制度です。給付型奨学金の申請は、受験用願書提出と同時に、専用の書類により受験する各大学に対して行います。

ただ、給付型奨学金(financial aid)制度を持つ大学の中でも、給付対象をアメリカ国籍やアメリカ永住権を持っている学生に限定したり、あるいは、給付型奨学金の申請が合否の結果を左右する大学もあります。また、1年ごとに給付型奨学金の規定を変更する大学が多いため、受験時に、各大学の給付型奨学金担当事務所(Financial Aid Office)のウェブサイトを詳しく調べる必要があります。ウェブサイトを調べた上で質問がある場合は、各大学のFinancial Aid Officeに直接電話をかけてお尋ねください。家庭の経済的状況がいかなるものであっても、能力と志のある学生には教育の機会を開いていくことを大きな目標にしているアメリカの大学は少なくありませんので、親切に回答していただけるはずです。

現時点(2010年9月)、アメリカ国籍を持たない海外留学生(international students)に対して、家庭の必要に応じて給付型奨学金(need-based financial aid、下記参照)を給付し、かつ受験の際に給付型奨学金の申請が合否結果に対して不利に働かない(need-blind、下記参照)アメリカの大学は次の通りです: Amherst CollegeDartmouth CollegeHarvard UniversityMITPrinceton UniversityWilliams CollegeYale University.

大学から支給される給付型奨学金の一例:

学費・寮費・食費の合計額(年間)が500万円であるとするなら、

  • 家庭の経済的援助の必要度が非常に高いと大学側が判断した場合:家庭による負担額=0円、返済義務なしの支給額=460万円、キャンパス内の就労+ローン=40万円
  • 家庭の経済的援助の必要度がやや高いと大学側が判断した場合:家庭による負担額=150万円、返済義務なしの支給額=310万円、キャンパス内の就労+ローン=40万円
  • 家庭の経済的援助の必要度が比較的低めであると大学側が判断した場合:家庭による負担額=300万円、返済義務なしの支給額=160万円、キャンパス内の就労+ローン=40万円

日本国籍をお持ちで、日本の高校からアメリカの4年制大学を受験される方は、財団法人グル―・バンクロフト基金の返済義務なしの奨学金に応募することが可能です。また、日本、中国、香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、韓国、台湾、タイ、ベトナムの国籍をお持ちで、Wesleyan Universityを受験される方は、Freeman Asian Scholars Programの返済義務なしの奨学金に応募することが可能です。

既に日本の4年制大学に在籍されている大学生(学部)で日本国籍をお持ちの方は、1年間University of Illinoisの教養学部に留学することのできる「小山八郎記念奨学制度」(年間授業料免除)に応募することも可能です。

※Need-Based Aid: 家庭の経済的状況に合わせて、必要な額だけ大学が経済援助としての奨学金を支給する制度。基準は各大学が設定。

※Need-Blind Application: 給付型奨学金申請の有無が大学受験の合否に影響しないシステム。裏を言えば、Need-Blind Applicationの方針のない大学は、奨学金必要性と受験の合否が関係している。